交通事故で歯が欠けたり折れたりすると、日常生活に大きな支障が生じます。歯牙障害や咀嚼・言語機能の障害、醜状障害として後遺障害が認定されれば、慰謝料を請求できる可能性が高まります。
歯が折れた場合、その欠損の数や部位により日常生活への影響が変わります。歯以外にも、あごに痛みが残ったり、顔に傷が残れば、さらに大きな日常生活の影響が残るでしょう。これらの影響に対する慰謝料は、被害者個別の症状の程度により異なります。
以下、後遺障害等級ごとにもらえる慰謝料の相場と、その等級に当てはまる可能性のある怪我の内容を確認してみましょう。
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| 等級 | 障害区分 | 怪我の内容・認定基準 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 (2号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼及び言語の機能を 廃したもの |
1150万円 | 2800万円 |
| 3級 (2号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼又は言語の機能を 廃したもの |
861万円 | 1990万円 |
| 4級 (2号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼及び言語の機能に 著しい障害を残すもの |
737万円 | 1670万円 |
| 6級 (2号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼又は言語の機能に 著しい障害を残すもの |
512万円 | 1180万円 |
| 9級 (6号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼及び言語の機能に 障害を残すもの |
249万円 | 690万円 |
| 10級 (3号) |
咀嚼 言語機能 |
咀嚼又は言語の機能に 障害を残すもの |
190万円 | 550万円 |
| 12級 (相当) |
咀嚼 言語機能 |
開口障害等を原因として 咀嚼に相当時間を要するもの |
94万円 | 290万円 |
| 10級 (4号) |
歯牙障害 | 14歯以上に対し 歯科補綴を加えたもの |
190万円 | 550万円 |
| 11級 (4号) |
歯牙障害 | 10歯以上に対し 歯科補綴を加えたもの |
136万円 | 420万円 |
| 12級 (3号) |
歯牙障害 | 7歯以上に対し 歯科補綴を加えたもの |
94万円 | 290万円 |
| 13級 (5号) |
歯牙障害 | 5歯以上に対し 歯科補綴を加えたもの |
57万円 | 180万円 |
| 14級 (2号) |
歯牙障害 | 3歯以上に対し 歯科補綴を加えたもの |
32万円 | 110万円 |
| 7級 (12号) |
醜状障害 (外貌) |
顔面に著しい醜状を残すもの (例:鶏卵大以上の瘢痕) |
419万円 | 1000万円 |
| 9級 (16号) |
醜状障害 (外貌) |
顔面に相当程度の醜状を残すもの (例:長さ5cm以上の線状痕) |
249万円 | 690万円 |
| 12級 (14号) |
醜状障害 (外貌) |
顔面に醜状を残すもの (例:10円大以上の瘢痕、 3cm以上の線状痕) |
94万円 | 290万円 |
交通事故にあう前から歯に欠損や治療痕がある場合、事故の影響に関する判断は複雑化します。そのようなケースでは「加重障害」という考え方が適用され、既存の障害と新たな障害を合わせて等級が決定されます。
具体的には、既存障害と事故後の障害を比較し、より重い等級から1等級を繰り上げて認定される仕組み。そのため、事故で治療中の歯がさらに悪化すれば通常より高い等級が認定され、慰謝料額は増える可能性が高まります。
交通事故で歯が欠損した場合、見た目や咀嚼機能などに大きな支障が生じるため、しかるべき賠償がなされるのは当然です。
しかし実際には、保険会社が「骨折とは違う」といった内容を持ち出し、被害の重大性を過小評価して、不当に低い賠償金を提示してくるケースが少なくありません。
コールグリーン法律事務所では、これまでに歯の欠損に関する事案で賠償金を増額させた実績が多数あります。専門的な知見と交渉経験に基づき、適正な補償を得るためのサポートを行っています。
交通事故で歯に損傷を負い「保険会社の提示に納得できない」「正当な賠償を受けたい」とお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
交通事故専門の弁護士津田岳宏
浜松・京都エリアの
交通事故慰謝料の相談なら
コールグリーン法律事務所へ
当メディア「ISHARYO+(イシャリオプラス)」では、交通事故による慰謝料に納得がいかない方に向けて、交通事故案件を多く取り扱うコールグリーン法律事務所の津田岳宏弁護士の監修のもと、慰謝料の仕組みや、弁護士に依頼することで慰謝料が増額された事例などをご紹介しています。
現在、交通事故に遭われて慰謝料についてお悩みの方は、ぜひ一度ご覧ください。
交通事故で歯を失って後遺障害が認定されると、その精神的苦痛に対する慰謝料を請求できます。欠損した歯の本数や噛む・話すといった機能への影響によって後遺障害の等級が決まり、重い等級ほど高額になります。なお、認定には歯科医の診断や後遺障害診断書が必須です。
歯の欠損によって噛み合わせや発音に障害が残った場合、労働能力が低下して将来の収入に影響を与える可能性もあります。この損失を補うものが後遺障害逸失利益で、慰謝料とは別に請求可能です。
職種や年齢、症状の程度が考慮され、特に接客業や発声を伴う職業では減収リスクが高く評価される傾向もあります。
事故で損傷した歯の治療にかかる費用は、賠償金として加害者側に請求できます。差し歯やブリッジといった補綴治療はもちろん対象となり、治療が長期化すればその分費用も増加します。
ただし、高額かつ審美目的も兼ねていると判断されるインプラントなどは、補償対象外とされる可能性があるので要注意。補償の受け取りを前提に、医師と一緒に治療計画を検討しましょう。
事故による歯の治療で通院が必要になった場合、交通費も賠償の対象になります。電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合には領収書に基づいて請求することが可能で、自家用車で通院した場合にはガソリン代や駐車料金が合理的範囲で認められます。
通院が長期にわたると負担も大きくなるため、領収書や通院記録を整理しておくことが大切です。
治療や通院のために仕事を休まざるを得なかった場合、その間の収入減少は休業損害として補償されます。給与所得者は勤務先の証明、自営業者は確定申告書や帳簿で収入を示すことが必要です。
生活に直結する損害となるため、たとえ休業が数日であったとしても、しっかりと証拠書類を整えておくようにしましょう。
交通事故で歯が折れたり欠損した場合は、歯牙障害として後遺障害に認定される可能性があります。
3歯以上の補綴で14級、5歯以上で13級、7歯以上で12級、10歯以上で11級、14歯以上で10級といった基準が目安とされています。
歯の欠損数や補綴の有無が等級を左右するため、認定には診断書や治療記録が欠かせません。正確な歯科医師の所見を残すことが、適切な補償を受けるための前提になります。
歯やあごの損傷により噛む動作や発音に支障が残ると、咀嚼・言語機能障害として認定されることがあります。
最も重い1級は咀嚼と言語機能を完全に失った場合、3級はどちらか一方を失った場合、4級や6級は著しい障害が残る場合に該当します。9級や10級は日常生活に制限が残る程度の障害が対象。開口障害で食事に時間を要するケースでは、12級相当が認められることもあります。
顔や口元に傷や変形が残った場合は、見た目に関わる醜状障害として等級認定が行われます。
7級は外貌に著しい醜状が残る場合、9級は相当程度の醜状、12級は日常生活で目立つ瘢痕や線状痕が対象とされます。
評価は傷の大きさや位置によって変わり、特に顔面や口周りは厳しく判断されます。外見上の障害は本人の精神的苦痛も大きいため、慰謝料額が高額になる傾向があります。
交通事故で歯が欠損した場合、「歯牙障害」「咀嚼・言語機能の障害」「醜状障害」の3つについて後遺障害が認定される可能性があります。
歯牙障害とは、交通事故で失った歯に対して「歯科補てつを加えた」場合に認められる後遺障害です。歯科補てつとは、歯が折れてブリッジにしたり、歯がなくなったところにインプラント治療を施すことを言います。
歯を失っても、インプラント治療をすれば歯の機能は回復します。これによる労働能力への影響はないと考えるのが一般的です。しかし、中には歯の修復により、言葉の発音に障害が生じるケースがあります。アナウンサーがうまく発音できなくなったら、これまでのように仕事ができるでしょうか?また、歯を食いしばって力を入れるような肉体労働者も、歯を修復によって不都合が生じるケースが少なくありません。
認定される可能性がある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 症状 |
|---|---|
| 10級4号 | 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 11級4号 | 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 12級3号 | 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 13級5号 | 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
| 14級2号 | 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
歯が欠損するほどの衝撃を受けることで、あごの骨が折れ咀嚼(そしゃく)機能や言語機能に障害が生じるケースがあります。咀嚼機能の障害とは、かみ合わせ・筋肉・関節などに不具合が出ることで、食べ物をうまく噛み砕けなくなることです。
また、言語機能の障害は、濁音や半濁音などをの発音が難しくなること。綴音(ある音と別の音とが結合している音)の発音が不明瞭で意思疎通を図りにくい場合も障害が認定されます。
咀嚼機能障害、言語機能障害によって認定される可能性がある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 症状 |
|---|---|
| 1級2号 | 咀嚼及び言語の機能を廃したもの |
| 3級2号 | 咀嚼又は言語の機能を廃したもの |
| 4級2号 | 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの |
| 6級2号 | 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
| 9級6号 | 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの |
| 10級3号 | 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの |
| 12級相当 | 開口障害等を原因として咀嚼に相当時間を要するもの |
交通事故の怪我で体に目立つ跡が残ってしまうことを言います。歯が折れるほどの衝撃を受けた場合、顔面にもなんらかの傷が生じるケースが少なくありません。傷の残り方によっては、醜状障害による後遺障害等級が認定される場合があります。
醜状障害によって認定される可能性がある後遺障害等級は、以下のとおりです。傷跡の大きさによって等級が異なります。
| 等級 | 症状 |
|---|---|
| 7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの |
| 9級16号 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの |
| 12級14号 | 外貌に醜状を残すもの |
交通事故で歯を損傷し入通院を続けても、保険会社から提示された慰謝料が思ったより低いと感じるケースは少なくありません。その背景には算定方法や補償範囲の制限が関係しています。以下、補償額が低くなる主な3つの理由を見てみましょう。
一般に、保険会社が提示する慰謝料は、自賠責基準や任意保険基準といった最低水準の基準に基づいて算出されています。これらは被害者救済の最低限度の基準にすぎず、実際の苦痛や生活への影響を十分に反映しているとはいえません。弁護士基準と比べると、その金額差は大変大きくなります。
歯の欠損治療でインプラントを選んだ場合、見た目を整える目的を兼ねていると判断され、保険会社は補償を認めないこともあります。その場合、一般的な補綴治療に該当する金額のみが補償され、それ以外の費用は実費負担を求められる可能性があります。
治療方法の違いによって賠償金額が変わる点は、被害者にとって納得しがたい部分といえるでしょう。
歯の損傷により後遺障害が残ったとしても、労働力に対する障害の影響は軽微と判断された場合、逸失利益が認められないこともあります。仮に認められたとしても、被害者本人が納得できる金額を提示されないケースもあるでしょう。
事故後には保険会社との示談交渉や書類作成が多く発生し、そのために要する手間や時間は決して少なくありません。これらのやり取りや書類作成を弁護士に依頼すれば、本人の負担は大幅に軽減。慰謝料の請求に向けた精神的な負担からも解放されます。
保険会社が提示する慰謝料は、自賠責基準や任意保険基準など最低水準にとどまることが一般的。一方、弁護士に相談すれば、弁護士基準(裁判所基準)で慰謝料の交渉ができるため、補償額は大幅に増える可能性があります。被害者として納得できる解決へつながる可能性が高まるでしょう。
保険会社との複雑な交渉ややり取りを弁護士に一任することで、被害者自身は余計な負担を抱えずに済みます。その分、治療や通院に集中できる時間が確保され、生活の回復に専念できます。結果として治療効果も高まり、早期の社会復帰へつながることでしょう。
交通事故で歯が折れたり欠けたりすると、外見や機能性などに影響が及び、日常生活に著しい支障が生じかねません。
もちろん、何よりも医師の指示に従って完治を目指すことが大切ですが、保険会社から治療費の打ち切りや慰謝料の低額提示を受ければ、納得できないと感じるほうが一般的です。
そのような場合には弁護士に相談することで、正当な慰謝料や治療費を受け取れる可能性が高まります。専門家の力を借りることで、安心して回復に専念できる環境づくりに努めましょう。
(2025年7月時点)
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