交通事故によって顔や身体に傷跡が残ってしまうと、身体的な痛み以上に、精神的な苦痛や対人不安を抱える方が多くいらっしゃいます。傷の見た目が気になって人前に出られなくなったり、社会生活に大きな支障が出てしまうことも珍しくありません。
外貌醜状が後遺障害として認定された場合には、逸失利益が認められることもあります。しかしその金額や程度は、被害者の職業や生活環境によって差が出やすく、保険会社が争ってくることが多いポイントです。
このような場合には、専門的な立証活動や適切な主張が必要不可欠です。コールグリーン法律事務所は、外貌醜状に関する損害賠償請求においても豊富な知識と実績を有しており、適正な補償の実現に向けたサポートを行っています。
交通事故専門の弁護士津田岳宏
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「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」とは、頭部や顔面部、頸部といったように、日常的に露出しており人目につく部分の障害のことをいいます。例えば、擦り傷や切り傷、火傷、手術後に残った線状痕、色素沈着、白斑などが含まれます。
外貌醜状は人目につく部分に目立つ傷跡が残ることであるため、本人にとってもショックが大きく、また職業等に影響が出てくるケースもあることから、機能障害がなかったとしても後遺障害等級が認定される可能性もあります。
ただし、髪の毛や眉毛、衣服で隠れる部分については、原則として醜状障害としては扱われません。
過去の等級認定では、男女間に差があり、女性の方が高い等級が認められる傾向がありました。これは、以前は同じ部位・同じ大きさの傷跡が残ったとしても、男性より女性の方が外貌醜状によるダメージが大きいという考えがあったためです。
しかし2010年にこのような男女格差は違憲であるという裁判所の判決が出されたことから後遺障害等級表が改正され、「男女平等」の同一基準により認定が行われるようになっています。
外貌醜状が認められた場合、後遺障害慰謝料の相場はどのくらいの額になるのでしょうか。下記に表でまとめていますので、参考にしてください。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 7級12号 | 419万円 | 1000万円 |
| 9級16号 | 249万円 | 690万円 |
| 12級14号 | 94万円 | 290万円 |
表を見ると、7級・9級・12級のそれぞれの等級において「自賠責保険が支払う金額(自賠責基準)」と、過去の判例に基づいた適正な「弁護士基準(赤本基準)」をまとめていますが、支払われる金額にはかなりの差が生じていることがわかります。
例えば、12級が認定された場合には、自賠責保険基準の場合には94万円、弁護士基準だと290万円といったように、200万円近くの差が生じることになります。
被害者本人が任意保険の会社と直接示談交渉を行った場合には、最も低い自賠責基準に近い金額(任意保険基準)を提示されることになり、被害者が受けた精神的な苦痛を考慮した正当な額の支払いを拒まれるケースが多くなっています。この時に弁護士が介入することによって、初めて「弁護士基準」が適用され、慰謝料の増額交渉が可能になります。
外貌醜状の後遺障害等級については、「著しい醜状(7級12号)」が最も重いものとなっており、「著しい醜状」とは、以下のいずれかに該当するものとなります。
「相当な醜状(9級16号)」とは、以下に該当するものをいいます。
最も認定件数が多いのが「単なる醜状(12級14号)」であり、以下のいずれか該当することで後遺障害として認められます。
顔や首(外貌)以外に醜状障害が残った場合の後遺障害等級については、部位により分類されます。例えば上肢・下肢の露出面については、以下のように分類されています。
さらに、「上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」は「14級4号」とされており、「下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」は」「14級5号」とされます。
外貌醜状で「逸失利益はゼロ」と保険会社から提案されることがあります。「逸失利益」とは、事故がなければ得られるはずだった利益を指します。
なぜ、外貌醜状で逸失利益がゼロという主張が行われるのかというと、外貌醜状は「手足が動かない障害」とは異なり、身体の労働能力が直接低下するものではない、といった考えから相手型の保険会社は「顔に傷跡があったとしても、将来の収入(労働能力)への影響や喪失はない」として逸失利益を「0円(=非該当)」と主張してくるからです。
ただ、中には外貌醜状でも逸失利益が認められやすい職種などもあります。例えばモデルやタレントなどのほかにも、営業職や接客業、サービス業のように、他の人と対面して接することが必要となる職業(対人職)の場合には、傷跡が残っていることで就職や転職、昇進、配置転換などにおいて大きな不利益を及ぼすため、逸失利益が認められやすいといえます。
もし保険会社から、「労働能力の喪失はない」と主張された場合には、過去の裁判例(地裁判決など)をベースとして、医学的な見地や本人の「傷があることによって起こる精神的・対人的な苦痛が実務にどのように支障をきたしているか」を具体的に立証・提示していくことが重要となります。
外貌醜状で適切な後遺障害等級認定を受けるには、等級認定の基礎となる「後遺障害診断書」を病院で作成してもらうことが必要になります。ここでの注意点ですが、医師は治療のプロではあるものの、「後遺障害認定」のプロではありません。
そのため、傷跡について記載してもらう際には、正確な位置やサイズを記載してもらうのが大切です。例えば、傷の長さや面積はミリ単位で詳細に記載する、色素沈着などの状況もれがないように、しっかりと明記してもらうことも大切です。
後遺障害診断書を提出するにあたって、傷の写真も撮影して添付します。後遺障害認定においては、写真は傷の「大きさ」「色」「形状」を客観的に証明するために極めて重要であるため、写真の写り方が大切です。光の加減や角度によって傷跡が薄く見えてしまい、等級決定(または非該当)を左右してしまう可能性も考えられます。写真を撮影した際には、必ずその場でチェックして、薄く見えたりしていないかなど、写真で損をしてしまわないようにします。
診断書や写真を撮影したあと、審査機関(自賠責損害調査事務所)の担当者による面接が行われることがありますが、この時には弁護士に相談をし、同席してもらうのもポイントといえます。
同一の事故によって、顔の傷跡以外にも「骨折によるボルト挿入(手術痕)」「むちうち」「関節の機能障害」といったように、複数の怪我・後遺障害を併発している場合には「併合」と呼ばれるルールが適用されることもあります。
併合とは、異なる部位の障害が複数残った場合の後遺障害の認定方法のことです。具体的には、複数の後遺障害のうち最も重い等級が繰り上がる、という形になりますが、全てのケースで併合のルールが適用されるわけではない点には注意が必要です。
人目につく場所に傷跡が残る外貌醜状では、大きな精神的苦痛を覚える人が少なくありません。中には「人に会うのが怖い」「外出できない」など日常生活すらままならなくなる人もいるため、適切な慰謝料を受け取るのがおすすめです。
被害者請求に必要な書類の準備は手間がかかる上、納得のいく結果にならないケースもあります。このため賠償金の交渉や後遺障害認定の申請は弁護士に依頼するのがおすすめ。交通事故事案で実績豊富なら、診断書作成のサポートから後遺障害申請、弁護士基準での慰謝料請求、相手方保険会社との交渉までトータルにサポートしてくれるでしょう。しかも弁護士特約なら、保証の範囲内で自己負担を抑えて利用できるので安心です。
当メディア「ISHARYO+(イシャリオプラス)」では、交通事故による慰謝料に納得がいかない方に向けて、交通事故案件を多く取り扱うコールグリーン法律事務所の津田岳宏弁護士の監修のもと、慰謝料の仕組みや、弁護士に依頼することで慰謝料が増額された事例などをご紹介しています。
現在、交通事故に遭われて慰謝料についてお悩みの方は、ぜひ一度ご覧ください。
(2025年7月時点)
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